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財務再構築
A 資産と負債 : 財務再構築とは企業が使っている資産にムダがないか、借金という負債が過大でない
か見直して改善することですが、これが結構あります。たとえば売掛金ですが売り上げても回収に努めない
とツケが滞ってきてますます回収が困難になります。売掛金が滞留しないよう会社の方針(ルール)を決めて
文書化し徹底することが必要です。商品在庫についても同様です。過大在庫は即、資金繰りに悪影響を及
ぼします。なにしろ過大在庫分の資金が遊んでいるわけですからこれはムダ以外のなにものでもありませ
ん。
そのほか遊休資産や未稼働の資産等の遊んでいる資産、従業員や役員に貸し付けているお金も貸借対照
表からチェックできるので早期に回収するなどして資産のムダをなくすることに努めます。資産のムダの改善
により回収した資金は定期預金にするか借金の返済に充てると、資産がスリムになる、キャッシュフローが
改善する、財務の健全性が増すなどの効果が期待できます。
B デット・エクイティ・スワップ(DES・債務の株式化) : これは他人資本の一部をを自己資本に移転する
ことで、自己資本比率を高め、場合によっては債務超過状態を改善し、金融機関の格付けアップを期待する
ものです。借金が少なく自己資本が厚いのを金融機関は安全性が高いとみます。とくに会社経営者からの
借入金のDESは資金がなくても増資できる効果があるのですが、注意すべきはその借入金の評価です。
会社法は評価額説を採用してるように見えつつ券面額説を採用しているとのことで解しがたいのですが一方
法人税法は評価額説を採用しています。そこでDESを実施する場合は、法人税法上、債務消滅益の発生
に十分留意する必要があります。この他、期限切れ欠損金との相殺に関する条項(法人税法59条@一、A一)
や疑似DESについても確認しておく必要があるでしょう。(参考資料:藤原総一郎著「DES・DDSの実務改訂版p8〜9」)
C デット・デット・スワップ(DDS・債務の劣後ローン化) : 企業の借入金のうち一定の条件を満たすもの
を債務のうち劣後順位に変更しこれを債務者区分等の判断において資本とみなすことにより財務状態の改
善、場合によっては債務超過状態を改善する手法です。金融機関等によるDDSはDESとともに実務的には
あまり採用されていないようです。(中小企業支援協議会の平成21年7月〜9月の活動状況が発表されて
おります。 その実施割合はDDSは7.3%、DESは2.4%で、リスケジュールの65.1%に比較し、かなりの低
率です) しかし、金融検査マニュアル中小企業編において検証ポイント1の(1)にみられるように企業の代
表者等からの借入金等については原則として自己資本に加味することができるとありますので、金融当局は
代表者等からの借入金等については返済を要求しないことを条件に実質的DDSとして認めているようです。
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