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会社の税金−分割A


2015/3/1  菊 池 芳 平

 前回は適格分割の要件を確認しましたが、今回はその適格分割の場合の分割法人、分割承継法人及び分割法人の株主の税務上の取り扱いをみてみましょう。

適格分割の取扱い
分割法人の所得の計算

 (1) 内国法人が適格分割型分割により分割承継法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、分割承継法人に移転をした資産及び負債の適格分割型分割の直前の帳簿価額による引継ぎをしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算することとされています。従って譲渡損益は生じないことになります。(法62の2A)

 (2) この場合に分割承継法人から交付を受けた分割承継法人の株式又は分割承継親法人株式の交付の時の価額は、
 分割法人の分割型分割の直前の資本金等の額に純資産移転割合(注)を乗じて計算した金額とされています。(法62の2B、令123の3A)
 (注) 純資産移転割合はイに掲げる金額のうちにロに掲げる金額の占める割合をいいます。(令8@六、令8@十五)
イ 当該分割法人の当該分割型分割の日の属する事業年度の前事業年度終了の時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額
ロ 当該分割法人の当該分割型分割の直前の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を控除した金額


 (3)内国法人が自己を分割法人とする適格分割型分割により当該適格分割型分割に係る分割承継法人の株式又は分割承継親法人株式を当該内国法人の株主等に交付した場合における対価の額と原価の額については、いずれもその適格分割型分割によりその引き継いだ資産等の帳簿価額に相当する金額となることから譲渡損益は生じません。(法61の2D)

分割承継法人の帳簿価額による引継ぎ
 内国法人が適格分割型分割により分割法人から資産及び負債の移転を受けた場合には、当該資産及び負債の帳簿価額による引継ぎを受けたものとされます。(法62の2C、令123の3B)

分割法人の株主等の取り扱い
 (1)みなし配当
 分割法人の株主等が適格分割型分割により交付を受けた金銭その他の資産についてはみなし配当は生じないことになります。(法24@二)
 
 (2)譲渡損益の繰延べ
 内国法人が旧株を発行した法人の行つた分割型分割により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けた場合には、当該旧株のうち当該分割型分割により当該分割承継法人に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、譲渡損益の計算をすることになっていますが、金銭等不交付分割型分割により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けたときにおける譲渡損益の計算については、対価の額及び原価の額は、いずれもその旧株の当該分割型分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とされており譲渡損益は生じないことになっています。(従って、この場合に取得する株式の取得価額も分割純資産対応帳簿価額となります。)(法61の2C、令119の7の2A、119の8@A、119@二十六)


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