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会社の税金-合併②
2014/12/1 菊 池 芳 平
合併が適格合併に該当すると、その移転にともなう所得計算と取得価額はどのように取り扱われるのでしょうか。
ここでは移転する側の被合併法人の所得計算と移転を受ける側の合併法人の取得価額、さらには株主等の取り扱いについて整理します。
適格合併の取扱い
被合併法人の所得の計算
内国法人が適格合併により合併法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、当該移転をした資産及び負債の当該適格合併に係る最後事業年度終了の時の帳簿価額による引継ぎをしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算します。したがって、譲渡損益は生じません。(法62の2①)
適格合併により合併法人に移転をする負債には、その内国法人の法人税(注1)及び地方法人税(注2)として納付する金額並びに地方税法の規定によりその法人税に係る道府県民税及び市町村民税(注3)として納付する金額でその申告書の提出期限がその合併の日以後であるもの及び内国法人の合併により消滅する新株予約権に代えてその新株予約権の新株予約権者に交付すべき資産の交付に係る債務が含まれます。(法令123②➂)
(注1)退職年金等積立金に対する法人税、法第38条第1項第2号(損金に算入される法人税)に掲げる法人税及び附帯税を除きます。
(注2)地方法人税法第6条第4号(基準法人税額)に定める基準法人税額に対する地方法人税、同項第5号に掲げる地方法人税及び附帯税を除きます。
(注3)都民税及びこれらの税に係る均等割を含みます。
合併法人の帳簿価額による引継ぎ
内国法人が適格合併により被合併法人から資産及び負債の移転を受けた場合には、当該資産及び負債の帳簿価額による引継ぎを受けたものとされます。(法62の2④、法令123の3➂)
被合併法人の株主等の取り扱い
みなし配当
被合併法人の株主等が適格合併により交付を受けた金銭その他の資産にかかるみなし配当は生じません。(法24①一)
譲渡損益の繰延べ
内国法人が、その内国法人が有していた旧株を発行した法人の合併によりその株式の交付を受けた場合の譲渡対価の額は、旧株のその合併の直前の帳簿価額に相当する金額となっており、譲渡損益は生じません。
ただし、この場合の合併は、その法人の株主等に合併法人の株式又は親法人株式のいずれか一方の株式以外の資産(注)が交付されなかつたものに限られています。(法61の2②)
(注)株主等に対する剰余金の配当等として交付された金銭その他の資産と合併に反対する株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除きます。
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