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お金が心配なときは・・・キャッシュフロー管理



2010/3/1  菊 池 芳 平 


1.はじめに
 キャッシュフローは一定期間のお金の流出入とか、お金の収支、あるいはお金の流入と流出の差額といった意味で使われます。 ここでいうキャッシュは現金と預金を合わせた合計のことをいいます。
 このお金を大事にしなくてはいけないのに、なかなか忙しくてお金の記録まで手がまわらないといった話をよく耳にします。
 昔から、始末、算用、才覚という言葉がありますが、会社や家計のやりくりにおいては、収支のバランスをが大切ですよね。
 キャッシュフロー管理は体重管理に似ているような気がします。体重が気になる方は、毎日お風呂上がりに体重計でチェックすると効果がでるように、お金も定期的にチェックすると効果がでることうけあいです。

2.通常のキャッシュフローの管理
 企業の現金出納帳や個人の家計簿は毎日記帳すべきですが、これから述べるキャッシュフロー管理はお金の予定と実績による管理の事をいいます。

A はじめてみようストック管理
 
 キャッシュフロー管理に慣れるためにも、体重管理と同じように、定期的に現金や預金それに借入残高を手帳やパソコン等に記入(入力)してみます。 預金残高や借入残高は口座別に記入します。 最初はこれだけです。 記入する時期は資金的に逼迫している場合は1週間ごとあるいは1ヶ月ごとに。そうでない場合は半年ごとでいいと思います。 いろいろ工夫しながらためしてみましょう。 とにかく継続することが大事なのです。
 しばらく記入してみて時系列に比較すると、予想に反してお金が減った時期とか、逆にお金が増えた時期に気づきます。そしてなぜそうなったのか、お金のことが気になってきます。
  どうしても記入できない方は、ストック管理ができた都度、カレンダーにまる印を付けるとか、自分自身にご褒美をあげるようにすると、結構うまくいきますよ。
B つぎにフロー管理
 ストック管理で原因を探りたくなったら、おおまかに期間別に入金と出金を原因別に分類して記入してみましょう。 自己流で結構です。記入の仕方が分からない場合は、インターネットや図書館で調べたり、周りの人に聞いてみたりします。 そうすると、ストック管理で疑問に感じたお金の増減の理由がだんだん分かってきます。そこで、お金のことをしっかり把握するためにも自分なりにお金の対策を考えてみます。
 参考までにフロー管理のサンプルをご紹介しますね。
金融広報中央委員会はこちら 資金プランシミュレーション

中小企業庁はこちら 資金繰り表

3.自分なりの対策
A 家計の対策
 家計では収入の今後の予測をいくつか立てます。(たとえば楽観的、ふつう、悲観的といった感じです)
キャッシュフローの計画は悲観的な収入予測をもとにたてるのが安全確実です。
 その収入の予測にもとずいて自分なりに支出の計画を立てます。いろいろ紙に書いたりしてシミュレーションをしてみるのも楽しいですよ。やがて将来のことが少しずつ見えてきます。
 
B 企業の対策
 企業のキャッシュフロー管理は通常の場合は収入と支出の見積もりを月ごとに立てることから始めます。
 これを月繰り計画といいます。
 窮境の場合は日繰り4週間(1日ごとの収入支出)、週繰り3ヶ月(1週間ごとの収入支出)月繰り8ヶ月(1ヶ月ごとの収入支出)の計画が基本です。
 資金計画策定にあたってはとりあえずキャッシュマネジメントチーム、というと堅苦しいのですが、つまり担当者を決めます。経営者と補助経理スタッフ1名の最低2名で結構です。このチームの連携で短期の資金フローのやりくりを優先順位を決めて決済していきます。
 キャッシュから目を離さないでください。
 まず足下の資金を棚卸しします。いま会社(個人のお店または事業を含みます。以下同じ)にどれだけの資金があるか、それに金融機関にどれだけの与信枠があるのかも確認します。足下の資金の棚卸しが確定したら、窮境時には日繰り4週間のキャッシュフロー計画表を作成します。(資金繰りに不安がない場合は月繰りで結構です) 
 収入と支出を想定した日別一覧表を作るのです。これにはエクセルが便利ですが手書きでも一向にかまいません。いままでのデーターでだいたい分かるはずですから躊躇せずに作ってみましょう。
 支出には経費の他にその期間の借入返済額も入れることを忘れずに。それから経費のなかで減価償却費は支出から除きます。(借入返済金は経費ではないが支出となり、減価償却費はその逆で経費であるが支出ではないからです。ややこしいですがそのうち分かりますからご心配いりません) 
 予定表ができましたら、この表の余白に実績を記入し、予定と実績を比較しながら、キャッシュフローを管理していきます。
 収入と支出の管理! これは経営者が誰にも任せることのできない仕事です。お金の怖さを一番知ってほしいのは、 あるいは知っているのは 、他ならぬ経営者だからです。 お金を求め、お金に踊り、お金に狂い、お金に泣く。 お金は人生を豊かにもしますが貧しくもします。 お金に使われるのではなくお金を大切に大事に使うためにも、経営者の方々にお金の収入と支出の一覧表を作り、キャッシュフローを管理して頂きたいと思います。 
キャッシュフローマネジメントは商売あるいは事業の原点だからです。(つづく)


キャッシュフローを改善するには はこちら



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