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修繕費と資本的支出


2022/5/1  菊 池 芳 平


はじめに
 修繕費と資本的支出の判定は実質によって判定します。
 固定資産の修理、改良等のための支出金額で、
(1)その固定資産の維持管理や原状回復のための金額は、修繕費として支出時の損金算入が認められます。
(2)その支出が固定資産の使用可能期間の延長、または価値の増加金額は、資本的支出として資産計上した上で減価償却を行います。

修繕費と資本的支出の判定
 修繕費と資本的支出の判定は前に述べたように実質によって判定します。
 次のような支出は原則として修繕費にはならず資本的支出となります。
(1) 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
(2) 用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
(3) 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額
 ただし、一つの修理や改良などの支出金額が20万円未満の場合またはおおむね3年以内の期間を周期として行われる修理、改良などである場合は、その支出した金額を修繕費とすることができます。

修繕費であるか資本的支出であるか明らかでない場合
 修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額は、次の基準によりその区分を行うことができます。
(1) その支出した金額が60万円未満のとき、またはその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10パーセント相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
(2) 法人が継続してその支出した金額の30パーセント相当額とその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額の10パーセント相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときは、その処理が認められます。



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