マネーの動きを知ることは企業経営で最も重要なものの一つといえます。
たとえば、融資の申し込みをするとマネーの管理が求められます。審査の過程で企業のマネー、つまり資金繰りがチェックされるからです。
残高を知る
マネーの動きを知るには、今現在のお金の総額を知ることから始まります。
手帳やパソコン・スマホ等に預金残高や借入残高を口座別に記入してみます。
記入の時期は資金的に逼迫している場合は毎日、そうでない場合は1週間ごと、あるいは1ヶ月や半年ごとといった具合です。
しばらく記入して時系列に比較すると、予想に反してお金が減った時期と、逆にお金が増えた時期に気づき、なぜそうなったのか気になってきます。
動きを知る
通常、マネーの動きは入金と出金を分類集計した資金繰り表で把握します。
しかし、なかなか忙しくてその記録計算まで手がまわらないといった話をよく耳にします。そこで最低の労力とコストで最大の効果がでる方法をご紹介しましょう。
AIを活用したマネーの可視化と管理
インターネットで無料お試し期間のクラウド会計(以下システムといいます。)を申し込むと、その日のうちにスマホやパソコンでマネーの見える化が実現します。
金融機関と連動した預金口座等と、スキャナまたはスマホのカメラから読み込まれた領収書から資金繰りレポート等に集計され、即時にスマホやパソコンでマネーの管理が簡単にできるのです。しかも読込入力やマネーのチェックは、オフィスをはじめ外出先のカフェや自宅等で場所を選ばずにいつでもできるのです。このシステムは月数千円で利用できます。
このような作業を面倒と思うかもしれませんが、一般家庭でも家計簿アプリを使って簡単に家計簿を作っているくらいですからそんな感じで気軽に取り組んでいいと思います。
現代社会は専門知識がなくてもいつでも誰でもマネーの動きや損益・財産の把握が可能になりつつあります。したがって文明の利器やアプリを上手に取り入れながら仕事を省力的かつ迅速に処理したいものです。
企業のマネーの動きと業績の情報を手間ひまかけずに迅速に知ることは今後ますます重要になってきます。
請求書や領収書の作成と発行そして未入金管理の業務もワンタッチで出来るので事務作業はずいぶん省力化できるはずです。この感動は体験した人でなければ分かりません。
これらの事務作業の省力化を低コストで済ませて浮いた時間を経営課題や営業関連の仕事に振り向けると経営力強化につながります。
マネー管理の省力化と迅速化の方法
どのようにして省力化、迅速化が実現するかについて少しお話します。
①
金融機関やカード会社の取引のマネーの計算
ボタン一つでデータがシステムに取り込まれます。取引の内容はいったん自動登録を設定すると、定型的なものは、以後何もしなくてもシステムが自動登録してくれるのでとでも楽です。通帳記帳に金融機関に行くこともなくなります。
②
領収書取引のマネーの計算
スマホのカメラやスキャナから取り込んだ領収書等のデータに、たとえば家計簿のように電気料は水道光熱費、得意先との飲み食いは交際費と設定するなど、ルールに従って科目を設定していきます。入出金時に計上する方法の場合はこれで人間のする作業はほぼ終了です。
慣れてくると、これらの作業は業種にもよりますが毎日10分程度で完了すると思います。
あとはシステムが自動集計したマネーの管理表と損益や財産の管理表を毎日みて状況を把握し対策をとるだけです。
【マネー改善7つの方法】
1. 売掛金や貸付金等の早期回収、支払債務の引き延ばし
2. 過大在庫や不良在庫の一掃
3. 遊休未稼働の資産の売却、不要物品の非購買
4. 借入やリース返済の条件変更で月々の返済を軽減する。
5. 増資・借入
6. 経費削減
7. 売上増加(特に新規顧客の獲得)
とはいっても、このシステムにはコツがあります。①操作方法の一覧表、②消費税の科目設定の一覧表、③勘定科目設定の一覧表、等の資料の整備が必要です。それが難しい場合はアドバイザーの支援が必要と思われます。
やがてこの操作方法に慣れると、このシステムに驚嘆し、マネーの管理が一層身近なものとなるでしょう。
(東村山法人会会報誌掲載)
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