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相続税 - 物納(2)


2018/5/1  菊 池 芳 平

 物納財産は、抵当権付の不動産や譲渡制限のある株式等のいわゆる管理処分不適格財産でないことが要件とされています。
 また物納しようとする財産が違法建築の建物及び敷地、接道義務を満たしていない土地等の物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないことが要件とされています。
 管理処分不適格財産と物納劣後財産は相続税法施行令に以下のように規定されています。

管理処分不適格財産

 次のような財産は、物納に不適格な財産となります。(令18①)
一 不動産 
イ 担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産
ロ 権利の帰属について争いがある不動産
ハ 境界が明らかでない土地
ニ 隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産
ホ 他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第210条の規定による通行権の内容が明確でないもの
ヘ 借地権の目的となつている土地で、当該借地権を有する者が不明であることその他これに類する事情があるもの
ト 他の不動産(他の不動産の上に存する権利を含みます。)と社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は2以上の者の共有に属する不動産
チ 耐用年数(所得税法の規定に基づいて定められている耐用年数をいいます。)を経過している建物(通常の使用ができるものを除きます。)
リ 敷金の返還に係る債務その他の債務を国が負担することとなる不動産
ヌ その管理又は処分を行うために要する費用の額がその収納価額と比較して過大となると見込まれる不動産
ル 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用されている不動産
ヲ 引渡しに際して通常必要とされる行為がされていない不動産
ワ 地上権、永小作権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が設定されている不動産で、次に掲げる者がその権利を有しているもの
(1) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号(定義)に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過しない者(以下暴力団員等といいます。)
(2) 暴力団員等によりその事業活動を支配されている者
(3) 法人で暴力団員等を役員等(取締役、執行役、会計参与、監査役、理事及び監事並びにこれら以外の者で当該法人の経営に従事している者並びに支配人をいいます。)とするもの
二 株式
イ 譲渡に関して金融商品取引法その他の法令の規定により一定の手続が定められている株式で、当該手続がとられていないもの
ロ 譲渡制限株式
ハ 質権その他の担保権の目的となつている株式
ニ 権利の帰属について争いがある株式
ホ 2以上の者の共有に属する株式(共有者の全員が当該株式について物納の許可を申請する場合を除きます。)
ヘ 暴力団員等によりその事業活動を支配されている株式会社又は暴力団員等を役員(取締役、会計参与、監査役及び執行役をいいます。)とする株式会社が発行した株式
三 上記以外の財産 当該財産の性質が上記の財産に準ずるものとして税務署長が認めるもの

物納劣後財産
 次のような財産は財産は、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限り物納に充てることができます。(令19①)
一 地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地
二 法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
三 次のイからニまでに掲げる事業が施行され、その施行に係る土地につき当該イからニまでに規定する法律の定めるところにより仮換地(仮に使用又は収益をすることができる権利の目的となるべき土地又はその部分を含みます。)又は一時利用地の指定がされていない土地(当該指定後において使用又は収益をすることができない当該仮換地又は一時利用地に係る土地を含みます。)
イ 土地区画整理法による土地区画整理事業
ロ 新都市基盤整備法による土地整理
ハ 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業
ニ 土地改良法による土地改良事業
四 現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物及びその敷地(当該納税義務者が当該建物及びその敷地について物納の許可を申請する場合を除きます。)
五 劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地
六 建築基準法)第43条第1項(敷地等と道路との関係)に規定する道路に2メートル以上接していない土地
七 都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、当該開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおける当該開発行為に係る土地
八 都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地(宅地として造成することができるものを除きます。)
九 農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において農用地区域として定められた区域内の土地
十 森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地
十一 法令の規定により建物の建築をすることができない土地(建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含みます。)
十二 過去に生じた事件又は事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産及びこれに隣接する不動産
十三 事業の休止(一時的な休止を除きます。)をしている法人に係る株式に係る株券

物納財産の収納価額と納付
 (1)物納財産の収納価額
 物納財産の収納価額は、課税価格計算の基礎となつた当該財産の価額によります。ただし、税務署長は、収納の時までに当該財産の状況に著しい変化が生じたときは、収納の時の現況により当該財産の収納価額を定めることができるとされています。
 (2)納付
 物納の許可を受けた税額に相当する相続税は、物納財産の引渡し、所有権の移転の登記その他法令により第三者に対抗することができる要件を充足した時において、納付があつたものとされています。



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