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相続税 - 納税義務者と課税財産の範囲


2017/5/1  菊 池 芳 平

 平成29年度の相続税の税制改正では、新たに一時居住者、一時居住被相続人、非居住被相続人の用語を用いて相続税の納税義務を規定しています。ここでは改正税法をふまえて新たな相続税の納税義務者の概要をみていきます。

(1)納税義務者

 相続税の納税義務者は以下のとおりです。(法1の3)
一 相続又は遺贈により財産を取得した次の者で、当該財産を取得した時に日本に住所を有するもの。
イ 一時居住者(注1)でない個人
ロ 一時居住者である個人で当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人(注2)又は非居住被相続人(注3)でない場合。

二 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者で、当該財産を取得した時に日本に住所を有しないもの。
イ 日本国籍を有する個人で次に掲げるもの
@ 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前10年以内のいずれかの時において日本に住所を有していたことがあるもの。
A 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前10年以内のいずれの時においても日本に住所を有していたことがないもので当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人でない場合。

ロ 日本国籍を有しない個人で当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人でない場合。

三 相続又は遺贈により日本にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時において日本に住所を有するもののうち一時居住者で当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合。

四 相続又は遺贈により日本にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時において日本に住所を有しないもののうち次に掲げるもの。
@ 日本国籍を有する個人で、当該相続又は遺贈に係る相続の開始前10年以内のいずれの時においても日本に住所を有していたことがないもので当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合。
A 日本国籍を有しない個人で当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合。
(注1) 一時居住者とは
 相続開始の時において出入国管理及び難民認定法の在留資格を有する者で当該相続の開始前15年以内に日本に住所を有していた期間の合計が10年以下であるものをいいます。

(注2) 一時居住被相続人とは
 相続開始の時において当該在留資格を有し、かつ、日本に住所を有していた当該相続に係る被相続人で、当該相続の開始前15年以内にこ日本に住所を有していた期間の合計が10年以下であるものをいいます。

(注3) 非居住被相続人とは
 相続開始の時において日本に住所を有していなかつた当該相続に係る被相続人で、当該相続の開始前10年以内のいずれかの時において日本に住所を有していたことがあるもののうち当該相続の開始前15年以内に日本に住所を有していた期間の合計が10年以下であるもの(当該期間引き続き日本国籍を有していなかつたものに限られます。)又は当該相続の開始前10年以内のいずれの時においても日本に住所を有していたことがないものをいいます。

(2)課税財産の範囲

 相続税の課税財産の範囲は、上記(1)の納税義務者について次のように定められています。(法2)
@ 上記(1)の一又は二に該当する者 (無制限納税義務者) については、その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、相続税が課されます。
A 上記(1)の三又は四に該当する者 (制限納税義務者) については、その者が相続又は遺贈により取得した財産で日本にあるものに対し、相続税が課されます。



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