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消費税 - 課税標準
2016/10/1 菊 池 芳 平
消費税法28条は、消費税の課税標準(課税対象)は課税資産の譲渡等の対価の額とすると定めています。このほか低額譲渡とみなし譲渡についても規定しています。
消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額は、別段の定めを除き、当事者間で授受することとした対価の額とされていますが、具体的には以下の内容になります。
課税資産の譲渡等の対価の額
消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額は、
①対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とされ、
②課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及びその地方消費税額を含みません。(法28①)
③対価として収受すべきとは、別に定めるものを除き、当事者間で授受することとした対価の額をいうとされています。(基通10-1-1)
低額譲渡 (法人がその資産を役員に譲渡した場合)
法人がその資産を役員に譲渡した場合は、その対価の額が譲渡の時におけるその資産の価額に比し著しく低い(以下、低額譲渡といいます。)ときは、その譲渡の時におけるその資産の価額に相当する金額(時価)を、その対価の額とみなすことになっています。(法28①)
低額譲渡か否かの判断は、次のようになります。
㋐譲渡資産が棚卸資産以外の資産である場合
資産の譲渡金額が、その譲渡の時における資産の価額に相当する金額のおおむね50%に相当する金額に満たない場合は低額譲渡に該当します。
㋑譲渡資産が棚卸資産である場合
その資産の譲渡金額が、次の要件のいずれをも満たすときは、低額譲渡に該当しないものとして取り扱われます。(10-1-2)
(1) 当該資産の課税仕入れの金額以上であること。
(2) 通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額以上であること。
ただし、法人が資産を役員に対し低額譲渡した場合においても、当該資産の譲渡が、役員及び使用人の全部につき一律に又は勤続年数等に応ずる合理的な基準により普遍的に定められた値引率に基づいて行われた場合は、低額譲渡に該当しないものとして取り扱われます。(10-1-2)
みなし譲渡
次の個人事業者の家事消費等と法人の役員への資産贈与については、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなし(みなし譲渡)、それぞれの金額をその対価の額とみなします。(法4④、28③)
一 個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合は、当該消費又は使用した資産の価額に相当する金額
二 法人が資産をその役員に対して贈与した場合は、当該贈与した資産の価額に相当する金額
棚卸資産の家事消費と贈与における対価
個人事業者が家事消費を行った場合又は法人が役員に対し資産の贈与を行った場合は、上記のみなし譲渡の規定が適用されますが、特例といて棚卸資産について家事消費又は贈与を行った場合においては、次の(1)及び(2)に掲げる金額以上の金額を対価の額として確定申告書を提出したときは、その申告が認められることになっています。(10-1-18)
(1) 当該棚卸資産の課税仕入れの金額
(2) 通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額
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