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消費税 - 納税義務➂


2016/6/1  菊 池 芳 平

 相続があつた場合の納税義務の免除の特例

 相続があって相続人が被相続人の事業を承継した場合は、相続人はその承継した事業とともに消費税の納税義務も承継することになります。
 消費税法10条は相続人の納税義務の免除の特例を、相続があった年を1項に、翌年及び翌々年を2項にそれぞれ分けて規定しています。

相続があった年の相続人の納税義務の免除の特例
 その年に相続があつた場合には、その年の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である相続人(注)が、その基準期間の課税売上高が1,000万円を超える被相続人の事業を承継したときは、当該相続人の当該相続のあつた日の翌日からその年12月31日までの間における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、納税義務は免除されません。(法10①)
 (注) 課税事業者選択届出書の提出により、又は前年等の課税売上高による納税義務の免除の特例規定により消費税を納める義務が免除されない相続人を除きます。以下に同じ。
 従って、その年において相続があつた場合のその年の相続人の納税義務の判定は、① 相続日以前はその相続人の基準期間の課税売上高で判定し、② 相続日後は被相続人の引き継いだ事業場の課税売上高で判定します。


相続があった年の翌年及び翌々年の相続人の納税義務の免除の特例
 その年の前年又は前々年において相続により被相続人の事業を承継した相続人のその年の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合において、当該相続人の当該基準期間における課税売上高と当該相続に係る被相続人の当該基準期間における課税売上高との合計額が1,000万円を超えるときは、当該相続人のその年における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、納税義務は免除されません。(法10②)
 (注) 翌年及び翌々年の場合は、まず相続人のその年の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であるかどうかを判定し、次に1,000万円以下である場合は相続人の基準期間における課税売上高と被相続人の当該基準期間における課税売上高との合計額が1,000万円を超えるかどうかで判定することになります。
 
2以上の事業場を事業場ごとに分割して承継した場合
 相続により、2以上の事業場を有する被相続人の事業を2以上の相続人が2以上の事業場を事業場ごとに分割して承継した場合の被相続人の基準期間における課税売上高は、当該被相続人の当該基準期間における課税売上高のうち当該相続人が相続した事業場に係る部分の金額となります。(令21①)



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