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消費税 - 納税義務A
2016/5/1 菊 池 芳 平
納税義務の免除については、前回に取り上げたところですが、一定の届出書を提出した場合は、納税義務の免除を受けないことができます。
この届出書をめぐって実務ではトラブルが多いことから、適用要件には十分注意が必要です。
課税事業者選択届出書を提出した場合
消費税を納める義務が免除される事業者が、その基準期間における課税売上高が1,000万円以下である課税期間につき、納税義務の免除の規定の適用を受けない旨を記載した課税事業者選択届出書を納税地を所轄する税務署長に提出した場合は、
その提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期間(注1)以後の課税期間(注2)中に国内において行う課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、納税義務の免除の規定は、適用されないことになっています。(法9C)
(注1) その提出をした日の属する課税期間が次に掲げる課税期間である場合には、翌課税期間ではなく次に掲げる課税期間になります。(令20)
一 事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間
二 個人事業者が相続により法9条4項の課税事業者選択届出書を提出してその適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合における当該相続があつた日の属する課税期間
三 法人が合併(合併により法人を設立する場合を除きます。)により法9条4項の課税事業者選択届出書を提出してその適用を受けていた被合併法人の事業を承継した場合における当該合併があつた日の属する課税期間
四 法人が吸収分割により法9条4項の課税事業者選択届出書を提出してその適用を受けていた分割法人の事業を承継した場合における当該吸収分割があつた日の属する課税期間
(注2)その基準期間における課税売上高が1,000万円を超える課税期間を除きます。
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いったん課税事業者選択届出書を提出して、課税事業者の適用を受けていた事業者がその適用をやめる場合は、やめようとする旨を記載した届出書を提出することになります。これには通常の場合の制限と調整対象固定資産の仕入れ等の場合の制限があります。
課税事業者選択不適用届出書の提出の制限@
課税事業者選択届出書を提出した事業者は、その適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、その旨を記載した課税事業者選択不適用届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならないこととされています。(法9D)
この場合その課税事業者選択不適用届出書は、事業を廃止した場合を除き、課税事業者選択届出書の提出をした日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、提出することができません。(法9E)
課税事業者選択不適用届出書の提出の制限A
@ 課税事業者選択届出書を提出した事業者は、課税事業者選択届出書の提出をした日の属する課税期間の翌課税期間の初日から同日以後2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中(注1)に調整対象固定資産の仕入れ等を行つた場合(注2)には、事業を廃止した場合を除き、
A 当該調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、課税事業者選択不適用届出書を提出することができません。(法9F)
この場合に、調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日からその調整対象固定資産の仕入れ等の日までの間に課税事業者選択不適用届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しているときは、その届出書の提出はなかつたものとみなされます。(法9F)
(注1)簡易課税制度の規定の適用を受ける課税期間を除きます。
(注2) 国内において調整対象固定資産の課税仕入れ又は調整対象固定資産に該当する課税貨物(消費税が免除されるものを除きます。)の保税地域からの引取りを行つた場合をいいます。
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課税事業者選択不適用届出書の提出があつたときは、その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、課税事業者選択の届出は、その効力を失うことになります。(法9G)
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