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消費税 - 非課税取引②
2016/3/1 菊 池 芳 平
前回取り上げた消費税の非課税項目については、別表第一のほかにも通達に詳しく説明があります。そこでその概要を確認してみることにします。
土地の貸付けから除外される場合 (令8)
① 土地の貸付けに係る期間が1月に満たない場合や ② 駐車場その他の施設の利用に伴つて土地が使用される場合は,非課税となる土地の貸付けから除外され課税される。
土地の貸付期間の判定 6-1-4
上記の「土地の貸付けに係る期間が1月に満たない場合」に該当するかどうかは、契約において定められた貸付期間によって判定する。
土地等の譲渡又は貸付けに係る仲介手数料 6-1-6
土地等の譲渡又は貸付けに係る仲介料を対価とする役務の提供は、課税資産の譲渡等に該当する。
非課税の土地付建物等の貸付け 6-1-5
① 建物、野球場、プール又はテニスコート等の施設の利用が土地の使用を伴うことになるとしても、施設の利用に伴って土地が使用されるから、その土地の使用は土地の貸付けに含まれない。
② 駐車場又は駐輪場の場合、その用途に応じる地面の整備又はフェンス、区画、建物の設置等をしていないときは、その土地の使用は、土地の貸付けに含まれる。(駐車又は駐輪に係る車両又は自転車の管理をしている場合をは土地の貸付に含まれず、課税される)
➂ 建物の貸付け等に伴って土地を使用させた場合に、建物の貸付け等に係る対価と土地の貸付けに係る対価とに区分しているときであっても、その対価の額の合計額が当該建物の貸付け等に係る対価の額となる。
非課税の有価証券の範囲 6-2-1
国債証券、地方債証券、社債券、株券又は新株予約権証券、投資信託の受益証券、貸付信託の受益証券、コマーシャルペーパー、抵当証券、オプションを表示する証券又は証書、預託証券、譲渡性預金証書のうち外国法人が発行するもの
(注) ただし、ゴルフ場利用株式等は有価証券から除かれ、課税の対象となる。
ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利に係るものとして有価証券から除かれ、課税の対象となるものは、ゴルフ場その他の施設の所有若しくは経営に係る法人の株式若しくは出資を所有すること又は当該法人に対し金銭の預託をすることが当該ゴルフ場その他の施設を一般の利用者に比して有利な条件で継続的に利用する権利を有する者となるための要件とされている場合における当該株式若しくは出資に係る有価証券又は当該預託に係る金銭債権とする。(令9②)
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非課税の有価証券に類するもの 6-2-1
① 貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権
② 合名会社、合資会社又は合同会社の社員の持分、協同組合等の組合員又は会員の持分その他法人の出資者の持分
非課税の支払手段の範囲 6-2-3
(1)銀行券、政府紙幣、小額紙幣及び硬貨 (2)小切手、為替手形、郵便為替及び信用状 (3)約束手形等
(注) これらの支払手段であっても、収集品及び販売用のものは、課税の対象となることに注意。
利子を対価とする金銭の貸付金等 6-3-1
次のものを対価とする資産の貸付け又は役務の提供が非課税となる。
(1)国債、地方債、社債、新株予約権付社債、投資法人債券、貸付金、預金、貯金の利子 (2)信用の保証料 (3)合同運用信託、公社債投資信託、公社債等運用投資信託の信託報酬 (4)保険料(事務費用部分を除く。) (5)集団投資信託、法人課税信託、退職年金信託、特定公益信託等の収益の分配金 (6)相互掛金又は定期積金の給付補填金及び無尽契約の掛金差益 (7)抵当証券の利息 (8)割引債(利付債を含む。)の償還差益 (9)手形の割引料 (10)金銭債権の買取又は立替払に係る差益 (11)有価証券(ゴルフ場利用株式等を除く。)の賃貸料 (14)物上保証料 (15)リース取引でその契約に係るリース料のうち、利子又は保険料相当額(契約において利子又は保険料の額として明示されている部分に限る。)
資産の譲渡等で一定のもの 6-4-1、6-4-2、別表第一
次の資産の譲渡等は非課税となる。
①郵便切手類(郵便切手類販売所又は承認販売所によるもの) ②印紙(印紙の内渡し場所又は承認販売所によるもの) ➂証紙(地方公共団体又は売りさばき人が行うもの) ④物品切手等
物品切手等の判定 6-4-3、6-4-4
商品券、ビール券、旅行券、プリペイドカード(図書カード、テレホンカード)等の給付請求権を表彰する証書は非課税の物品切手等に該当する。
物品切手等の発行と譲渡 6-4-5、別表第一
① 事業者が、物品切手等を発行し、交付した場合において、その交付に係る相手先から収受する金品は、資産の譲渡等の対価に該当しない。(不課税)( 6-4-5 )
② 物品切手等の譲渡は非課税となる。 (法6①、別表第一4ハ)
医療品、医療用具の販売 6-6-2
健康保険法、国民健康保険法等の規定に基づく資産の譲渡等は非課税となるが、これらの療養等に該当しない医薬品の販売又は医療用具の販売等は課税資産の譲渡等に該当する。(
非課税となる身体障害者用物品の譲渡等を除く。)
保険外併用療養費、療養費等の支給に係る療養 6-6-3 別表第一6
健康保険法等の規定に基づく保険外併用療養費、医療費等の支給に係る療養は非課税となるが、これには、被保険者又は被保険者の家族の療養に際し、被保険者が負担する一部負担金に係る療養も含まれる。
(注) 財務大臣の定める金額を超える部分の金額については、非課税とされる療養の対価に該当しない。
(注) 入院時食事療養費は非課税となる。( 6-6-1 )
介護予防訪問入浴介護等 6-7-1
要支援者の選定による交通費を対価とする資産の譲渡等、特別な浴槽水等の提供、送迎、特別な居室の提供、特別な療養室等の提供、特別な食事の提供又は介護その他の日常生活上の便宜に要する費用を対価とする資産の譲渡等は非課税とならない。
助産に係る資産の譲渡等の範囲 6-8-1
非課税となる助産に係る資産の譲渡等はには、次のものが該当する。
(1)妊娠しているか否かの検査 (2)妊娠していることが判明した時以降の検診、入院 (3)分娩の介助 (4)出産の日以後2月以内に行われる母体の回復検診 (5)新生児に係る検診及び入院
妊娠中及び出産後の入院に係る差額ベッド料等 6-8-3
助産に係る資産の譲渡等については、財務大臣の定めた金額を超える場合であっても非課税となる。妊娠中や出産後の入院における差額ベッド料及び特別給食費並びに大学病院等の初診料についても全額が非課税となる。
学校等が行う役務の提供で課税されるもの 6-11-4
学校給食又は他の者からの委託による調査・研究等の役務の提供は、非課税とならない。
公開模擬学力試験に係る検定料 6-11-6
公開模擬学力試験に係る検定料を対価とする役務の提供は、課税資産の譲渡等に該当する。
教科用図書の供給手数料 6-12-2
教科用図書の供給業者等が教科用図書の配送等の対価として収受する手数料は、非課税とはならない。
補助教材の取扱い 6-12-3
参考書又は問題集等の補助教材の譲渡は、当該補助教材を学校が指定した場合であっても非課税とはならない。
住宅の貸付けの範囲 6-13-1
庭、塀等で、通常住宅に付随して貸し付けられると認められるもの、及び、家具、じゅうたん、照明設備、冷暖房設備等で住宅の附属設備として、住宅と一体となって貸し付けられると認められるものは非課税となる住宅の貸付に含まれる。
ただし、当事者間で、住宅とは別の賃貸借の目的物として、住宅の貸付けの対価とは別に使用料等を収受している場合には、当該設備又は施設の使用料等は非課税とはならない。
プール、アスレチック施設等付き住宅の貸付け 6-13-2
プール、アスレチック施設等を備えた住宅の貸付けで、居住者以外の者も利用でき、かつ、当該居住者以外の者が利用する場合に利用料を徴収している場合等の当該施設等は、非課税となる住宅の貸付けには含まれない。
駐車場付き住宅の貸付け 6-13-3
駐車場付き住宅としてその全体が非課税の住宅の貸付けとされる駐車場には、① 一戸建住宅に係る駐車場のほか、② 集合住宅に係る駐車場で入居者について一戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保され、かつ自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる等の場合で、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していないものが該当する。
旅館業に該当するものの範囲 6-13-4
住宅の貸付けから除外される旅館業に該当するホテル、旅館のほかリゾートマンション、貸別荘等は、たとえこれらの施設の利用期間が1月以上となる場合であっても住宅の貸付に係る非課税とはならない。 (
貸家業及び貸間業は、旅館業には該当しない。)
店舗等併設住宅の取扱い 6-13-5
店舗等併設住宅は、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となる。この場合は、それぞれの対価の額を合理的に区分する。
住宅の貸付けと役務の提供が混合した契約の取扱い 6-13-6
有料老人ホーム、ケア付住宅、食事付の貸間、食事付の寄宿舎等のように一の契約で非課税となる住宅の貸付けと課税となる役務の提供を約している場合には、住宅の貸付けに係る対価の額と役務の提供に係る対価の額とを合理的に区分するものとする。
転貸する場合の取扱い 6-13-7
賃借人が住宅として転貸することが契約書その他において明らかな場合は、当該住宅用の建物の貸付けは、非課税の住宅の貸付けに含まれるので賃借人が行う住宅の転貸も住宅の貸付けに該当する。
用途変更の場合の取扱い 6-13-8
住宅として貸し付けられた建物について、住宅以外の用途に変更する契約変更をした場合には、変更後の当該建物の貸付けは、課税資産の譲渡等に該当する。
(注) この場合、契約変更を行わずに、当該賃借人において事業の用に供した場合は、当該賃借人の課税仕入れに該当しない。
家賃の範囲 6-13-9
非課税の住宅家賃には、月決め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分及び共益費で住宅貸付対応部分も含まれる。
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