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会社の税金 - 株式交換A


2015/9/1  菊 池 芳 平

適格株式交換と非適格株式交換の株式交換完全子法人、株式交換完全親法人についての取扱いは以下のとおりになります。

1. 適格株式交換の取扱い
(1) 株式交換完全子法人

適格株式交換が行われた場合の株式交換完全子法人の取扱いは、特に処理の必要はありません。

(2) 株式交換完全親法人
 適格株式交換により取得をしたその適格株式交換に係る株式交換完全子法人の株式は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額となります。(令119@九)
 ※この取扱いは、非適格株式交換であってもその株式交換の直前にその株式交換に係る株式交換完全親法人と株式交換完全子法人との間に完全支配関係があつた場合のその株式交換を含みます。(令119@九かっこ書)
イ その適格株式交換の直前におけるその株式交換完全子法人の株主の数が50人未満である場合
 その株式交換完全子法人の株主が有していたその株式交換完全子法人の株式のその適格株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額の合計額(その株式交換完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)

ロ その適格株式交換の直前におけるその株式交換完全子法人の株主の数が50人以上である場合
 その株式交換完全子法人の簿価純資産価額(その株式交換完全子法人のその適格株式交換の直前の資産の帳簿価額からその適格株式交換の直前の負債の帳簿価額を減算した金額に相当する金額(その株式交換完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)

(3) 株式交換完全子法人の株主の処理
 @ 譲渡損益
内国法人が、旧株(その内国法人が有していた株式)を発行した法人の行った株式交換(注1)によりその株式の交付を受けた場合又は旧株を発行した法人の行つた適格株式交換(注2)によりその旧株を有しないこととなつた場合については、その有価証券の譲渡の対価の額は、これらの旧株のその株式交換又は適格株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額とされていますので、譲渡損益は生じないこととなります。(法61の2G)
 (注1)その法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全親法人との間にその株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関係がある法人の株式(親法人株式)のいずれか一方の株式以外の資産(その株主に対する剰余金の配当として交付された金銭その他の資産及び株式交換に反対するその株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除きます。)が交付されなかつたものに限ります。

 (注2)その法人の株主に株式交換完全親法人の株式その他の資産が交付されなかつたものに限ります。
 

 A 有価証券の取得価額
 交付を受けたその株式交換完全親法人の株式又はその親法人の株式の取得価額は、その株式交換完全子法人の株式のその株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額(その株式交換完全親法人の株式又はその親法人の株式の交付を受けるために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)となります。(令119@八)

 B 無対価の場合
 内国法人の有する株式(旧株)を発行した法人を株式交換完全親法人とする無対価株式交換に該当する適格株式交換が行われた場合には、所有株式のその適格株式交換の直後の移動平均法により算出した1単位当たりの帳簿価額は、その旧株のその適格株式交換の直前の帳簿価額にその適格株式交換に係る株式交換完全子法人の株式でその内国法人がその適格株式交換の直前に有していたもののその直前の帳簿価額を加算した金額をその所有株式の数で除して計算した金額とします。(令119の3M)

 C 旧株の譲渡損益の繰延べ
 従って、@ABにより株式交換完全子法人の株主では、旧株の譲渡損益の繰延べが行われることになります。


2. 非適格株式交換の取扱い

(1) 株式交換完全子法人
   内国法人が自己を株式交換完全子法人とする株式交換を行つた場合には、その内国法人がその非適格株式交換の直前の時において有する時価評価資産の評価益又は評価損は、その非適格株式交換の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入します。(法62の9@)
@時価評価資産とは、固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除きます。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産で法令123の11@に定めるもの以外のものをいいます。(法62の9@)
A法人が自己を株式交換完全子法人とする株式交換に係る時価評価資産の評価益又は評価損の規定は、適格株式交換及び株式交換の直前に株式交換完全子法人と株式交換に係る株式交換完全親法人との間に完全支配関係があつた場合における非適格株式交換については適用されません。(法62の9@かっこ書)
 


(2) 株式交換完全親法人
 @ 株式交換完全親法人が取得した株式交換完全子法人の株式の取得価額はその取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額すなわち時価となります。(令119@二十六)
 A 非適格株式交換で株式交換の直前に株式交換に係る株式交換完全親法人と株式交換完全子法人との間に完全支配関係があつた場合における株式交換については、株式交換完全子法人の株主の数が50人未満である場合は、その適格株式交換の直前の帳簿価額により、株式交換完全子法人の株主の数が50人以上である場合は、その株式交換完全子法人の簿価純資産価額(直前の資産の簿価-直前の負債の簿価)を取得価額とします。(令119@九かっこ書)


(3) 株式交換完全子法人の株主
原則
 @ 有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入
 内国法人が有価証券の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡対価の額から原価の額を引いた譲渡利益額又は譲渡損失額は、別段の定めがある場合を除き、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入します。(法61の2@)
 A @の場合の有価証券の取得価額
 その取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額(時価)が取得価額になります。(令119@二十六)

別段の定め
 @ 内国法人が、旧株(その内国法人が有していた株式)を発行した法人の行つた株式交換(注1)によりその株式の交付を受けた場合又は旧株を発行した法人の行つた適格株式交換(注2)によりその旧株を有しないこととなつた場合には、その有価証券の譲渡に係る対価の額は、これらの旧株のその株式交換又は適格株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額となります。(法61の2G) 従って譲渡損益は生じません。
  (注1) その法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全親法人との間にその株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関係がある法人の株式のいずれか一方の株式以外の資産(その株主に対する剰余金の配当として交付された金銭その他の資産及び株式交換に反対するその株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたもの(金銭等不交付)に限ります。(法61の2Gかっこ書)

 (注2) その法人の株主に株式交換完全親法人の株式その他の資産が交付されなかつたもの(無対価)に限ります。(法61の2Gかっこ書)
 A 金銭等不交付による株式交換により交付を受けたその株式交換完全親法人の株式又はその親法人の株式の取得価額は その株式交換完全子法人の株式のその株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額(その株式交換完全親法人の株式又はその親法人の株式の交付を受けるために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額。その株主に対する剰余金の配当として交付された金銭その他の資産及び株式交換に反対するその株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除きます。)となります。(令119@八)



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