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不動産の税金−居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
2013/11/1 菊 池 芳 平
居住用財産を譲渡した場合には種々の特例があります。そのなかで重要と思われるものとして、軽減税率の特例、特別控除、買換え(交換)の特例、損益通算及び繰越控除等があります。
そこで、今回は軽減税率の特例をご紹介します。
居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の要件等は以下のとおりです。
1.適用要件(措法31の3@)
@ その有する土地等又は建物等で、その年1月1日において所有期間が10年を超えるもので
A 居住用財産に該当するものの譲渡をした場合には、その譲渡による譲渡所得については
B その譲渡に係る課税長期譲渡所得金額に対し課する所得税の額は、
C 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれに定める金額に相当する額とされます。
一 課税長期譲渡所得金額が6千万円以下である場合 その課税長期譲渡所得金額の100分の10に相当する金額
二 課税長期譲渡所得金額が6千万円を超える場合 次に掲げる金額の合計額
イ 600万円
ロ その課税長期譲渡所得金額から6千万円を控除した金額の100分の15に相当する金額
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ただし、 この特例は以下に該当する場合は除かれます。
ア)、その個人の配偶者その他のその個人と特別の関係がある者に対してするもの
イ)、所得税法第58条(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)の規定
又は第31条の2(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)、
第33条(収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例)から第33条の3(換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例)まで、
第36条の2(特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例)、
第36条の5(特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例)、
第37条(特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例)、
第37条の4(特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例)、
第37条の5(既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例)(同条第5項を除きます。)、
第37条の6(特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例)、
第37条の7(大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の譲渡所得の課税の特例)、
第37条の9の4(特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例)
若しくは第37条の9の5(平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例)の規定の適用を受けるもの
ウ)、その個人がその年の前年又は前々年において既にこの特例を受けている場合
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2.居住用財産(措法31の3A)
居住用財産とは、次に掲げる家屋又は土地等をいいます。
一 その個人がその居住の用に供している家屋で政令で定めるもののうち国内にあるもの(令20の3A)
二 一に掲げる家屋でその個人の居住の用に供されなくなつたもの(その個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。)
三 一及び二に掲げる家屋及びその家屋の敷地の用に供されている土地等
四 その個人の一に掲げる家屋が災害により滅失した場合において、その個人がその家屋を引き続き所有していたとしたならば、その年1月1日において所有期間が10年を超えるその家屋の敷地の用に供されていた土地等(その災害があつた日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。)
3.申告要件(措法31の3B、措規13の4)
この特例は、この特例の適用を受けようとする年分の確定申告書に、この特例の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、この特例の要件に該当する旨を証する書類として次の書類を確定申告書に添付しなければなりません。
@登記事項証明書
A住民票(除票住民票)の写し
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