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債務者の税金対策 A災害等による期限の延長



2012/5/1  菊 池 芳 平 




1.通則法の災害等による期限の延長 (国通11・通令3A)

 おもいがけない災害等が起きて、期限内に税金の申告や納付等が出来なくなった場合の税金対策として、納税者の保護を図るための期限の延長の制度があります。

 この制度は、「災害等による期限の延長」といわれ、
災害その他やむを得ない理由があって期限までに国税の申告や納付等ができない場合には、納税者による期限の延長の申請ができることとされているもので、国税通則法に規定されています。(国通11)

 この場合の災害その他やむを得ない理由とは、申告等の不能に直接因果関係を有するおおむね次に掲げる事実をいいますが、これらの事実に基因して資金不足を生じたため、納付ができない場合は含まないとされています。(通則法通達11条関係)
(1) 地震、暴風、豪雨、豪雪、津波、落雷、地すべりその他の自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発、ガス爆発、交通と絶その他の人為による異常な災害
(3) 申告等をする者の重傷病その他の自己の責めに帰さないやむを得ない事実

 具体的な延長の対象となる行為は、申告、申請、請求、届出その他の書類の提出、納付又は徴収(以下申告等)ですが、納税者による期限の延長の申請により税務署長等によって、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2月以内に限りその期限を延長することができることとされています。(国通11・通令3A)
 
 
2.延滞税の免除

 国税通則法第11条による国税の納期限を延長した場合のその国税に係る延滞税のうち、その延長をした期間に対応する部分の金額については、免除することとされています。(国通63A)

国税通則法第11条関係
 国税通則法第11条 災害等による期限の延長
 税務署長等は、災害その他やむを得ない理由により、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限までにこれらの行為をすることができないと認めるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から2月以内に限り、当該期限を延長することができる。

国税通則法施行令第3条 
 1.国税庁長官は、都道府県の全部又は一部にわたり災害その他やむを得ない理由により、法第11条(災害等による期限の延長)に規定する期限までに同条に規定する行為をすることができないと認める場合には、地域及び期日を指定して当該期限を延長するものとする。
 2.税務署長等は、災害その他やむを得ない理由により、法第11条に規定する期限までに同条に規定する行為をすることができないと認める場合には、前項の規定の適用がある場合を除き、当該行為をすべき者の申請により、期日を指定して当該期限を延長するものとする。
 3.前項の申請は、法第11条に規定する理由がやんだ後相当の期間内に、その理由を記載した書面でしなければならない。

国税通則法基本通達第11条関係
 この条の「災害その他やむを得ない理由」とは、国税に関する法令に基づく申告、申請、請求、届出、その他書類の提出、納付または徴収に関する行為(以下この条関係において「申告等」という。)の不能に直接因果関係を有するおおむね次に掲げる事実をいい、これらの事実に基因して資金不足を生じたため、納付ができない場合は含まない。
(1) 地震、暴風、豪雨、豪雪、津波、落雷、地すべりその他の自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発、ガス爆発、交通と絶その他の人為による異常な災害
(3) 申告等をする者の重傷病その他の自己の責めに帰さないやむを得ない事実



3.法人税における確定申告書の提出期限の延長

 法人税においても同様な条項が法第75条に規定されております。
 この規定は通則法11条とならんで選択的に摘要されることとされていますが、法人税の期限の延長では
   @利子税を納付しなければならないこと、
   A期限の延長についてその理由のやんだ日から2月以内に限るという制限がないこと
 が、通則法と異なっています。(法75@F)

法人税法第75条
 第75条 確定申告書の提出期限の延長
1.前条第1項の規定による申告書を提出すべき内国法人が、災害その他やむを得ない理由(次条第1項に規定する理由を除く。)により決算が確定しないため、当該申告書を前条第1項に規定する提出期限までに提出することができないと認められる場合には、国税通則法第11条(災害等による期限の延長)の規定によりその提出期限が延長された場合を除き、納税地の所轄税務署長は、その内国法人の申請に基づき、期日を指定してその提出期限を延長することができる。
2〜6 略
7.第1項の規定の適用を受ける内国法人は、同項に規定する申告書に係る事業年度の所得に対する法人税の額に、当該事業年度終了の日の翌日以後2月を経過した日から同項の規定により指定された期日までの期間の日数に応じ、年7.3パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する利子税をその計算の基礎となる法人税にあわせて納付しなければならない。

※利子税についてて租特法93@の軽減の特例が設けられています。




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